PEACE IN THE DARK 2026

東京・竹芝にあるダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」で開催中の「PEACE IN THE DARK 2026」に参加してきました。昨年8月の広島会場(旧日本銀行広島支店)に続き、今回で2度目の体験です。

このプログラムを言葉にするなら、「視覚障害を持つ方のアテンドのもと、完全に光を閉ざした暗闇でさまざまなアクティビティを体験する」というものです。しかし、言葉を尽くしても伝えきれない、五感のすべてで捉える世界がそこには広がっています。「体験すること」自体に意味があるため、詳細はあえて割愛します。

暗闇の中では、初対面の8人が1グループとなり、約1時間半の時間と空間を共にします。

初めて参加した広島での出来事が、今でも強く記憶に残っています。体験前の待合室で「少し自己主張が強そうで苦手かもしれない」と感じていた方がいました。しかし、暗闇に入った瞬間、その印象はガラリと変わり、誰よりも頼りになる存在となったのです。

また、暗闇の中で対話を重ね、非常に深い洞察を共有してくれた方がいました。落ち着いた声や話す内容から年配の方だと思い込んでいたのですが、体験後に明るい部屋へ戻ると、なんと高校生でした。日頃いかに「見た目」というバイアスにとらわれて人を判断していたかを痛感した瞬間でした。

暗闇の中では、お互いに協力し合わなければ何もできません。自分が今どこにいて、何をしているのかを声に出して伝えない限り、前に進むことすらできない。自然と手を取り合い、肩を寄せ合ううちに、お互いの心の境界線が消えていくような一体感を覚えます。

そして最も驚いたのは、この「境界線が消える感覚」こそ、磨きに磨き抜いて初めて私が得られた、心身統一合氣道の技の感覚そのものであったことです。

真の対話とは、「人」と「人」が対等に関わり合うこと。だからこそ、相手を心から理解することができる。日常の自分の「対話」が似て非なるものであることを自覚しました。

二度目となる今回は、全体の流れを理解していたつもりでした。しかし、実際に一歩暗闇へ踏み出すと、それは単なる「分かったつもり」に過ぎず、昨年味わったあの感覚が鮮明に呼び起こされました。今回は、1945年の広島へと時をさかのぼる体験です。

今回、特に心に残ったのはネパール人のアテンドの方のお話でした。 その方は母国ネパールにいた頃、学校の授業でイギリス人の先生からこう教わったそうです。

「日本という国は、原爆によって凄惨な被害を受けた。しかし、恨みを持って復讐するのではなく、国の復興へと心を向けたのだ。だからこそ戦後に急成長を遂げ、世界トップクラスの経済を築くまでに至ったのだよ」

アテンドの方はこの話に心を動かされ、日本への留学を決意したといいます。しかし、実際に来日してみると、この歴史の歩みに自覚のない日本人が多いことに驚いたそうです。

私たち日本人にとって、平和や復興は「当たり前」のものとして受け止められがちです。しかし、世界から見れば決して当たり前ではなく、実に稀有で尊いことです。平和を空気のように感じてしまう現代だからこそ、「平和は自分以外の誰かが守るもの」という他人事にせず、私たち一人ひとりが当事者意識を持つ必要があるのではないでしょうか。

暗闇の中、五感を研ぎ澄ます体験を通して、「人と人との関わりの大切さ」と「真の対話とは何か」を深く問いかけてくれる、素晴らしいプログラムです。

「PEACE IN THE DARK」は期間限定の企画で、8月30日(日)まで開催されています。ご家族での参加もおすすめですが、大人の方であれば、あえて一人で参加し、見知らぬ誰かと共に暗闇に入る体験をぜひお勧めします。

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