
東京オペラシティ コンサートホールで「ヴィンセント・オン ピアノ・リサイタル」を鑑賞しました。ヴィンセント・オンさんは、第19回ショパン国際ピアノ・コンクール(2025年)で、マレーシア人として史上初めて第5位に輝きました。聴衆賞では第2位を受賞しました。
《プログラム》
<前半>
ショパン:24の前奏曲 Op.28
<後半>
メンデルスゾーン:無言歌集 第8巻 Op.102
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第8番 変ロ長調 Op.84「戦争ソナタ」
<アンコール>
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282 第1楽章 アダージョ
カプースチン:8つの演奏会用エチュード Op.40 第1番 プレリュード
シューマン:幻想小曲集 Op.12 第1曲「夕べに」
全体を通して、聴き手の感情を激しく揺さぶる構成でした。
前半のショパンでは、はっきりとした主旋律の響きと、全体を包み込むような柔らかな響きが重層的に重なり合う独特の表現に魅了されました。ショパンコンクールで「聴衆賞」を受賞し、多くの人を虜にした理由が肌で理解できる演奏でした。
圧巻は後半でした。メンデルスゾーンの穏やかで美しい世界から一転して演奏された、プロコフィエフの「戦争ソナタ」は、重苦しく不穏な迫力に思わず息をのみました。
この強烈な緊迫感を綺麗に解いたのが3曲のアンコールです。モーツァルトの清らかな響き、カプースチンのジャズのような高揚感、最後はシューマンの温かさに癒やされました。
ヴィンセント・オンさんの独特な響きの魅力と、まるでジェットコースターのように感情が展開していく構成に浸った2時間でした。


