長野県の松本市に立ち寄る機会があり、松本市美術館で開催されている特集展示「草間彌生 魂のおきどころ」に行って来ました。企画展ではなく通年展示でした。
草間彌生さんは松本生まれ、少女時代は心の中から湧き上がる幻覚との闘いの日々で、それを紙に書き留めることが草間芸術の出発点になったとのこと。1957年に単身で渡米し、極貧生活を送りながら芸術活動を続け、それが認められて世界的な芸術家になります。
今と違って、日本での保証人や海外からの招聘がなければ海外には出られない時代で、お金の持ち出しも厳しく制限されていました。藤平光一先生が合氣道の普及のために単身で渡米したのが1953年、この時代に単身で海外に渡る底知れぬエネルギーを感じます。
草間さんの作品は、香川県の直島で見た《南瓜》以来です。「水玉」や「網目」の印象が強かったですが、今回の展示で「無限」や「宇宙」が大きなテーマであることを知りました。全身で感じられる作品もあり、とても興味深い展示でした。90代になられても、常に先に進み続けています。
この展示は松本市美術館で2025年3月31日まで開催されています。