
サントリー美術館(東京)で開催中の「NEGORO 根来 — 赤と黒のうるし」を鑑賞しました。
「根来塗」と呼ばれる朱漆器は、和歌山県にある根來寺で作られました。根來寺は繁栄を極めた大寺院です。朱漆器とは、しっかりとした木地に黒漆の中塗と朱漆を重ねたものです。この展覧会では、根來寺が繁栄を極めた中世の漆工品と、前後の時代の名品が展示されています。
赤は太陽の色、黒は総てを包む闇の色です。そのコントラストは厳かな印象を与えます。特に印象に残ったのが、鮮やかな赤色の黒田辰秋・作の「根来塗平棗(ねごろぬりひらなつめ)」です。平棗とは茶道で使われる薄茶器の一つで、高さが低く扁平な形をした棗のことです。
子どもの頃に茶道を学ぶ機会があり、素晴らしい棗を見て、その頃を鮮明に思い出しました。

