酒呑童子ビギンズ

東京ミッドタウンで仕事があり、合間の時間で、施設内にあるサントリー美術館に行きました。現在公開中の「酒呑童子ビギンズ」を鑑賞しました。

何年か前に海外の講習会で指導した際に、十代の参加者から日本語の「鬼」について質問されたことがあります。「鬼滅の刃」が流行っていたからでしょう。直訳すれば「demon」か「ogre」でしょうが、相手に分かりやすく表現するのに苦労しました。

酒呑童子とは「鬼」で、平安時代に都で貴族の娘や財宝を略奪していた酒呑童子が、武将である源頼光とその家来によって退治される物語です。14世紀より前には作られていた作品で、後に、絵画や能などのテーマになって広く知られるようになりました。

サントリー美術館が所蔵し、近年に修理が完了したという「酒呑童子絵巻」は、室町時代の狩野元信の筆で、全三巻合わせると66メートルもあるそうです。この展覧会では一部が展示されているわけですが、そのストーリーや登場人物にグッと引き込まれました。

登場人物それぞれに個性があり、悪役の酒呑童子にも鬼になった事情や経緯があります。エピソードゼロのような別作品まであり、現代の構成がこの時代からあったことに驚きました。

この展覧会は6月15日(日)までサントリー美術館で開催されています。

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