
板橋区立美術館で開催中の「エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画」に行きました。
この美術館は規模が小さく、アクセスも良いとはいえないのですが、面白そうな企画展があるので足を運んでいます。今回の企画展のテーマは「黒」です。
日本絵画において「黒」は欠かすことのできない要素であったそうです。黒は一色ではありません。江戸時代の絵画で表現される多様な黒を紹介するユニークなテーマです。
会場に入ってすぐに目に入る長沢蘆雪の「月夜山水図」と「月竹図」に見入ってしまいました。黒の濃淡で表現される雰囲気と奥行きに感嘆し、時間を忘れて眺めていました。
他にも多くの作品から、「黒」が多様な象徴となっていることが分かって、実に興味深かったです。知識として持ってしまうと企画が台無しになるので、ここでは触れないことにします。
藤平光一先生は水墨画を描きました。私が子どもの頃に真似をしたくなって、半紙に墨で竹を描いていました。当時は疑問に思いませんでしたが、考えてみれば、黒い竹が実在するわけではありません。黒は何にも染まらないからこそ、何でも表現できるのでしょう。
鑑賞した後、身近にある「黒」が何を象徴するのかを考えるのが楽しくなりました。
この展覧会は4月13日(日)まで開催されています。