藤平信一です。
「氣」というと、よく分からない怪しいものと捉える方がいます。かくいう私も例外ではありませんでした。
理系で学んでいた私は、「科学で証明を出来ないもの」は信じられず、「氣というものがある」という前提で学ぶことは出来ませんでした。
そんな私がなぜ学ぶことが出来たかと言えば、藤平光一宗主が日頃よく言われる、ある「言葉」からでした。
「正しいことには普遍性と再現性がある」
「普遍性」とは、誰もが出来るということ。「再現性」とは、(同じ条件下であれば)何度でもできるということ。「氣」という形のないものを会得するには、この二つの性質が備わっていることを確認いしければいけないと説きました。
そこで、私は自分自身で「実践」し、「検証」することを「氣」を学ぶ基本姿勢とすることにしました。教わったことを鵜呑みにせず、良い意味で「疑う」ことから始めて、普遍性・再現性に基づいて「実践」「検証」を積み重ねて来ました。
その結果、「氣」が如何に重要かを学んで参りました。
「氣が通う」「氣が滞る」はその一つです。
我々は、外界(大自然)と氣が常に通っているのが本来の状態ですが、心の使い方、身体の使い方を誤ると、氣が滞ってしまいます。氣が滞ると、コンディッションや人間関係などで不具合が生じます。
特に自己中心的な状態になると、外界との繋がりを失って氣が滞り、周囲のことが全く見えなくなります。すると、いま自分が何をすべきかが全く分からなくなってしまいます。
こういうときは、氣が滞った状態を如何に解決するかが重要であり、心身統一合氣道の技の稽古や氣の呼吸法などが大きな助けになります。
この氣の滞りを、大自然の力を借りて解消する方がいらっしゃいます。それが山田博さんです。山田さんは元々、厳しいビジネスの世界で生き抜いて来られました。その後、コーチングを学びプロコーチとなり、現在は、森の中でのワークショップを開催なさっています。
森の中で数日過ごしていると、理屈ではなく実感として、外界との繋がりを取り戻すことが出来ると山田さんは言われます。
特に現代人が持つ「漠然とした不安」は、大自然との繋がりを忘れ、自分一人の存在に陥ったときに現れます。「森」は、その繋がりを取り戻す手助けをしてくれるのだそうです。また、森で過ごすうちに、人間が本能的に感じる「恐怖」と、頭の中で作り出す「不安」の違いも分かってくるそうです。
山田さんは「森を応援して委ねる。委ねれば委ねるほど、うまくいく。森は何の見返りも求めず、全てを受け入れてくれます。森はそんなところです」と言われます。
2月11日(土)建国記念の日に開催する「Kiフォーラム2017」に、山田博さんをゲストスピーカーにお迎えして、「大自然と氣」をテーマにトークセッションをいたします。
参加対象は、心身統一合氣道会の指導員と会員です。一般の方でも、指導員・会員が同行する場合は参加が可能です。過去の「Kiフォーラム」、もしくは日本経営合理化協会「藤平信一・氣の道場」に参加された方も対象です。
参加される方には、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授が書かれた『無意識の整え方』を事前に読まれることをお勧めします。四つの異なる分野の方と前野先生が「無意識」について対談したもので、私と同様に山田さんも対談されています。
「Kiフォーラム2017」の内容をより深く理解出来ます。
皆さまのご参加をお待ちしています。