誦句集「座右の銘」(3)

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前回に続き、誦句集「座右の銘」の解説です。

氣が通うために、もっとも重要なのは「氣を出す」ことです。氣を出すことで新たな氣が入って来て、氣が通うようになるのです。人間本来の状態に戻ることが出来ます。

流れにおいては、「出せば入ってくる」という性質があります。先に入れようとすると、流れはかえって滞ってしまうのです。

「氣」をバッテリーの様に捉えると、ためて消費するわけですから、少しでも節約した方が良い、という考えになるかもしれません。ここでいう「氣」は、そうではありません。氣が通うことによって力を得るのです。

原因は分からないのに、何となく調子が悪いときがあります。閉塞感やイライラなど、表れる症状は様々です。誰しも経験があるのではないでしょうか。そういうときは、氣が滞っていることが多いのです。

氣が通っているときに、心を自在に使うことが出来ます。言い換えれば、氣が滞っているときは、心を自在に使えません。心の働きが鈍くなることで、何となく不調を感じるのでしょう。

こんなときは、ただ待っていても良くなることはありません。「氣を出す」ことが重要です。

ただし、氣を出すといっても初めての方には良く分かりません。そのため、「心身統一の四大原則」があります。氣を出すとは具体的にどういうことかを置き換えているのです。

  心身統一の四大原則

  一、臍下の一点に心をしずめ統一する。
  二、全身の力を完全に抜く。
  三、身体の総ての部分の重みを、その最下部におく。
  四、氣を出す。

「心身統一の四大原則」はよく、山頂に至る四つの異なる登り道に例えられます。どの道を用いても、最終的に同じ目的地にたどり着きます。

例えば、氣を出すとは「心を静める」ことと同じということです。また、全身リラックスして身体の隅々まで滞りのない状態であり、落ち着いている状態でもある、ということです。

その人によって、あるいは、そのときの状況や環境によって、もっとも取り組みやすい方法を選べば良いのです。

四大原則は、一つが備わっているときは、他の三つも備わっており、一つが備わっていないときは、他の三つも備わっていません。四つ総てを同時に行う必要はなく、どれか一つを行うことです。

ご参考までに、それに対して、「心身統一合氣道の五原則」は、人を導くための具体的なプロセスです。同じ原則でも、四大原則とは性質が異なるので注意が必要です。

  心身統一合氣道の五原則

  一、氣が出ている
  
二、相手の心を知る
  三、相手の氣を尊ぶ
  四、相手の立場に立つ
  五、率先窮行(そっせんきゅうこう)


道場での稽古は「氣を出す」ことを目的に技を練っていきます。そのため、稽古することで、氣の滞りが解消されやすいのです。氣が滞っているときほど、稽古をすべき理由がここにあります。

三回に渡って、誦句集の「座右の銘」を解説して参りました。座右の銘を正しく理解することで、正しい目的で稽古を出来ます。

皆さんの理解が深まりましたら幸いです。

【参考】誦句集

一、座右の銘

万有を愛護し、万物を育成する天地の心を以て、我が心としよう。心身を統一し、天地と一体となる事が我が修行の眼目である。

心身統一の四大原則
一、臍下の一点に心をしずめ統一する。
二、全身の力を完全に抜く。
三、身体の総ての部分の重みを、その最下部におく。
四、氣を出す。

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