10月9日(火)にワニブックスPLUS新書から新刊が出ます。教育をテーマにした初めての著書です。
『「氣」が人を育てる – 子どもや部下の能力を最大限に引き出す教育とは』
藤平光一先生は心身統一合氣道を「生活の中の合氣道」と定義しました。稽古を通じて「氣」というものを理解し、生活全般に活かすことが重要であると説きました。そのなかでも特に重要なのが、「持っている力を最大限に発揮する」こと、そして「持っている力を最大限に引き出す」ことの二つです。本書は後者の「持っている力を最大限に引き出す」ことがメインテーマです。
昭和医療技術専門学校という学校があります。
国家資格である「臨床検査技師」という医療従事者を養成する専門学校で、一学年80名(三年制で総勢240名)います。全国平均で合格率70%台の国家試験で、毎年100%近い合格率を保っています。合格率を上げるために成績の悪い生徒をふるい落とす学校もあるそうですが、この学校はそれをしません。あくまでも「全員合格」を目指します。
一日中、勉強を詰め込むのかと思えば、富士山に登ったり、キャンプに出かけたり、海外旅行をしたり、国家資格の取得に直接関係ないことも徹底しています。いわゆる世間の常識に異なることばかりです。しかし、「氣」というものを通じてみることで紐解かれていきます。
学校長の山藤賢先生は、2016年から心身統一合氣道を学んでいますが、それより前から、教育の現場で「氣」を体現していたようです。そこには小手先のテクニックではない「何か」があります。本書では、山藤先生との対話を通じてそこに迫っています。対談の内容を補足するために、私の解説も掲載しています。
近年の傾向として、分かりやすい本、薄い本が良く手に取られますが、この本はそこを目指さず、時間をかけて、本氣で読んで下さる方のために書きました。使っている言葉・表現こそ平易なのですが、少々、歯ごたえがあるかもしれません。本書が皆さまのお役に立てば最高の喜びです。