問題は移動する

チームにおいて、何かと問題視される人がいます。

周囲は「あの人がいるからいけない」とか「あの人がいなければ上手くいくのに」と思っているかもしれません。実際には、その人がいなくなっても状況は何も変わらず、今度は別の誰かが問題視されます。結局はまた「あの人さえいなければ」という繰り返しに陥ります。

これは、本当の問題と向き合うことなく、特定の人に責任を転嫁することで生じています。こうした考え方では、チームが心を一つにして力を発揮するのを妨げてしまいます。この「問題は移動する」という現象は、学校や職場、コミュニティなどあらゆる場で生じています。

実は、私たちの体でも、これと同じことが起こっています。

気持ちが上ずっているときに、いくら頭の中で「落ち着こう!」と命じても、波立つ心はなかなか静まりません。意識をすればするほど焦りは募って、かえって逆効果になります。

上ずった状態をリセットするには、体の力みを手放すことです。そうすれば、上ずっていた心は自然と静まります。ポイントは、身体の一部だけを緩めようとするのではなく、「全身の力を抜く」ことにあります。実は、部分的に体の力みを取り除くことは、とても難しいのです。

「肩の力を抜こう」など特定の場所だけ緩めようと意識すると、結果として別の場所に新たな緊張が生じます。この「力みの移動」こそ、正しいリラックスを妨げる厄介な存在なのです。

そこでお勧めしたいのが、誰でもその場でできる「全身リラックス運動」です。

全身リラックス運動

ステップ①:自然な姿勢を確認する
まず、その場でつま先立ちをします。身体が安定したら、かかとを静かに地面へと降ろします。ドスンと落とさず、そっと着地させるのがポイントです。つま先立ちでふらつく場合は、壁や手すりに軽く手を添えても構いません。

ステップ②:振動が全身に伝わる
次に、立った状態で指先を振ります。指先に付いた水滴を、上から下へ払い落とすようなイメージです。大切なのは、指先を振った振動が、腕を伝い、全身を通じて足先まで広がっていくのを感じ取ることです。もし振動が伝わらない場所があれば、そこに無意識の「力み」が生じています。

ステップ③:静かに動きを止める
余分な力が抜けたら、指先を振る動きを徐々に小さくしていきます。いきなりピタッと止めてしまうと、その瞬間に身体に力が入って逆効果になります。振動が「二分の一、さらにその二分の一……」と、少しずつ静まっていくのがコツです。

「ここ一番」という場面で緊張に飲み込まれそうなとき、あるいは肩こりがつらいときや、夜なかなか寝付けないとき。ぜひこの運動で、身体に生じる力みをリセットしてみてください。

実際に体感したいという方は、ぜひ一度、心身統一合氣道の道場に体験にお越しください。

組織の問題も身体の緊張も、特定の「誰か」や「どこか」を排除しようとするのではなく、全体の流れを整えることで自然と解消していくものです。外側の状況を変えることに躍起になる前に、まずは自分の内側を整えることから始めてみませんか。

組織のリーダーである私も、日々、実践しています。

タイトルとURLをコピーしました