
ミューザ川﨑シンフォニーホール(神奈川)で行われた「クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル2025」を鑑賞しました。
小学生の頃にピアノの先生から頂いたクリスチャン・ツィメルマンの「ショパン:ピアノ協奏曲第1番・第2番」のCDに衝撃を覚えました。いつか生演奏を聴きたいと思っていて、40年経ってようやく実現できました。そのため演目も知らずにチケットを購入しました。

音の響きが別次元でした。
ツィメルマンが自身でピアノを組み立てたり、調律したりすることは知っていましたが、探究心の深さに感銘を受けました。曲を聴くというよりも、音を楽しむ感覚で、それはまさに「音楽」です。最近、自分は「音」ではなく「曲」を聴きに行っていたことを自覚しました。
演目は下記の通りでした。
【前半】
シューベルト:4つの即興曲 Op. 90 D 899
ドビュッシー:アラベスク 第1番
ドビュッシー:月の光(ベルガマスク組曲より)
【後半】
プレリュード & Co アーティスト・セレクション
1. スタトコフスキ:前奏曲 Op.37-1/J.S.バッハ:前奏曲 第1番 BMV 846R.
2. スクリャービン:前奏曲 Op.11-2
3. ショパン:前奏曲 Op.28-15「雨だれ」
4. ショパン:前奏曲 Op.28-16
5. ラフマニノフ:前奏曲op.23-4
6.フランク:前奏曲(前奏曲、フーガと変奏曲 Op.18より)
7.ドビュッシー:ミンストレル(前奏曲 第1集 第12番)
8. ショパン:前奏曲 Op.28-4
9. ショパン:前奏曲 Op.28-7
10. クリャービン:前奏曲 Op.11-8
11. ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女(前奏曲 第1集 第8番)
12. ガーシュウィン:前奏曲 第3番
13. J.S.バッハ:プレリューディウム BWV 825(6つのパルティータ第1番より)
14. フォーレ:前奏曲 Op.103-3
15. ショパン:前奏曲 Op.28-11
16. ラフマニノフ:前奏曲 Op.32-12
17. カプースチン:前奏曲 Op.53-9
18. ラフマニノフ:前奏曲 Op.3-2「鐘」
前半のドビュッシー2曲は、当日の発表で追加されました。唯一無二の音の響きでした。
後半のプレリュード18曲は、ツィメルマンが綿密に練り上げた構築したものです。他の会場とは構成が異なるようです。プレリュードに限らず、レコードには全曲演奏が収録されることが多いですが、ツィメルマンによれば、それはレコード産業の登場から始まったのだそうです。
ショパンのバラードは連作ではなく、スケルツォもショパンの生涯を通して書かれた4つの別々の作品で、元々は全曲演奏される機会は少なかったようです。ツィメルマンが突き詰めた18曲、中には知らない曲も含まれていましたが、全体が緻密な一つの流れになっていました。
言葉にならない感動がありました。あまりの感動に、残りの他の会場も行きたくなりましたが、スケジュールが取れないので断念しました。次の機会を楽しみにしています。

