5/18(土)~19(日)の二日間の日程で、栃木県にある天心館道場で「藤平光一先生記念講習」を実施しました。藤平光一先生は2011年に91歳で逝去されました。5月19日のご命日に記念講習を行い、継承者である私が総ての講習で指導をしました。対面での講習には150名の会員の皆さんが参加され、520畳ある大道場で伸び伸びと稽古なさっていました。二日目午後のみオンライン中継対応の講習として、さらに120名の皆さんが加わり、総勢270名の皆さんが参加されました。
対面での講習のテーマは「氣剣一致」「氣杖一致」でした。全国で私が指導させて頂いて剣と杖の指導のご要望が最も多かったため、今回の講習でお応えしました。心身統一合氣道では「剣」や「杖(じょう)」という木製の武器を用いた稽古を行います。一つ一つの形や動きには氣の原理があり、正しく理解することで氣が出ている剣と杖になります。剣は精度が高く隙のない動きに、杖は伸び伸びとして威力のある動きになります。講習では剣と剣、剣と杖で向かい合って組んで練り込みました。初心者の皆さんには、グループを作って基本的な動きを習得して頂きました。
オンライン中継対応の講習のテーマは「合氣体操」でした。
1953年から藤平光一先生は海外での合氣道の普及を始め、最初の地がハワイの各島でした。当然、現地には弟子が一人もいないわけですから受身を取れる人がいません。柔道経験者を相手に投げてみせて、氣がいかに重要かデモンストレーションすることで、次々と入門者が増えていき、各地に道場ができました。一ヶ所にいられるのは数ヶ月程度、その後は現地に残った入門したての弟子だちだけで稽古しなければいけません。自分がいなくても弟子たちが稽古できるように藤平光一先生がまとめたのが「合氣体操」でした。この稽古で弟子達はめきめきと実力をつけていきました。藤平光一先生に思いを馳せながら、大切な合氣体操を全員で稽古しました。
対面での講習では、参加者一人一人がしっかり体感・体得できるように可能な限り直に相手してお伝えしました。また、今回の講習には自身の学びのために多くの師範が参加していましたので、私だけでは回り切れないところは師範がサポートできました。参加者から喜びの声を多数頂いています。貴重な時間を使って記念講習に参加して頂いた総ての皆さんに、心から感謝いたします。