氣圧法の研究論文について

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心身統一合氣道会は世界24カ国で、約3万人が稽古しています。

アメリカ・オレゴン州に拠点をおく支部(Oregon Ki Society)では、心身統一合氣道の活動と共に、「氣圧法」の活動を精力的に行っています。

氣圧法は心身統一合氣道に基づく健康法で、氣が出ている状態で相手に触れ、リラックスすることにより血行が良くなって、様々な不具合が改善します。相手の痛いところは痛みが軽減し、固くなっているところは柔らかくなります。

簡単にいえば、不調を生み出す氣の滞りを解消するための大事な健康法です。心身統一合氣道において、重要な学びの一つです。

キャルビン田端先生(心身統一合氣道8段)を中心とした主要メンバーは、長年に亘って藤平光一先生から直に氣圧法を学び、海外では唯一、オレゴン州で氣圧法スクールを開講することを許されました。

多くの会員の皆さんが現地で氣圧法を学んでいます。

このたび、指導者であり、医師でもあるテリー・コッパーマン博士たちが氣圧法の臨床研究を進め、医学雑誌に学術論文が掲載されました。

雑誌にはインパクトファクター(IF)という格付けにあたる数値があり、IF3点以上ある信頼性の高い雑誌です。ここにご紹介いたします。

Beneficial Effects of Kiatsu with Ki Training on Episodic Migraine 

医学論文を精読することはなかなか難しいため、順天堂大学大学院医学研究科 公衆衛生学講座 主任教授の谷川武先生に、この論文の解説をお願いすることにしました。

谷川先生は「氣圧法が既存の代替医療に切り込むための歴史的な一歩で、西洋医学の厳密かつ実証的な方法論を踏まえて実験を行い、氣圧法が確かな効用を持つ可能性を示したことに大きな意義がある」と言われます。

この論文では、主に「片頭痛」について述べられています。

片頭痛は世界的に見ると有病率の高い神経疾患で、薬物療法には副作用が伴い、既存の代替医療にも費用が高額であったり、利用可能なクリニックが限られていたりする等の点で限界があるそうです。

氣圧法が片頭痛に悩む女性に持続的な効用をもたらし、片頭痛の頻度を有意に減少させ、QoLQuality of Life)スコアを改善し、薬の使用を減少させる有望なアプローチであることが明らかになりました。

特に大事なことは、氣圧法だけではなく、氣のトレーニング(心身統一道)と組み合わせることによって、効果を上げている点です。

氣圧法によって片頭痛の症状が改善され、さらに氣のトレーニングを継続することで効果が持続される可能性も分かりました。公衆衛生学を専門とする谷川先生は、特にこの点に着目なさっていました。

今回の研究は、氣圧法と氣のトレーニングを世の中に知らしめたいという、現地の指導者たちの情熱によってはじめて実現しました。

日本においても、谷川先生と連携して研究を進めていくことになりました。日本には長年培われた経験知がありますので、氣圧法と氣のトレーニングの効果をしっかり実証して参ります。

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